アグリッパはパウロに、「おまえ自身のことを話してもよい」と言った。そこでパウロは、手をさし伸べて、弁明をし始めた。
しかし、主は仰せになった、「さあ、行きなさい。あの人は、異邦人たち、王たち、またイスラエルの子らにも、わたしの名を伝える器として、わたしが選んだ者である。
「アグリッパ王よ、ユダヤ人たちから訴えられているすべての事に関して、きょう、あなたの前で弁明することになったのは、わたしのしあわせに思うところであります。
「わたしたちの律法によれば、まずその人の言い分を聞き、その人のしたことを知った上でなければ、さばくことをしないのではないか」。
わたしは呼んだが、あなたがたは聞くことを拒み、 手を伸べたが、顧みる者はなく、
そして、イスラエルについては、 「わたしは服従せずに反抗する民に、 終日わたしの手をさし伸べていた」 と言っている。
そこでわたしは、彼らに答えた、『訴えられた者が、訴えた者の前に立って、告訴に対し弁明する機会を与えられない前に、その人を見放してしまうのは、ローマ人の慣例にはないことである』。
「兄弟たち、父たちよ、いま申し上げるわたしの弁明を聞いていただきたい」。
先に訴え出る者は正しいように見える、 しかしその訴えられた人が来て、 それを調べて、事は明らかになる。
事をよく聞かないで答える者は、 愚かであって恥をこうむる。
それゆえ、わたしはわたしの手をあなたの上に伸べて、あなたの賜わる分を減らし、あなたの敵、すなわち、あなたのみだらな行為を恥じるペリシテびとの娘らの欲のままに、あなたを渡した。
わたしはまた王たちの前に あなたのあかしを語って恥じることはありません。
囚人を送るのに、その告訴の理由を示さないということは、不合理だと思えるからである」。